静岡の自然薯「静岡農試60号」とは
- shizuokajinenjo60
- 11月4日
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静岡県では自然薯は古くから食されており、数多くのととろ汁の店が有ります。
その中でも、静岡市丸子にある「元祖 丁子屋」さんは、慶長元年(1596年)創業のとろろ汁の専門店。当時から山で取れた自然薯を使用していたそうです。
そんな中、自然薯栽培が出来るようになった事をきっかけに、丁子屋の12代目当主が、静岡県で自然薯栽培をやってくれる人を探したのが、静岡県での自然薯栽培のスタートになります。

静岡農試60号の誕生と背景
栽培がスタートした当時は、県外産の品種を使用していましたが、1981年(昭和56年)に静岡県に自生している自然薯を採取し、最も美味しい物を静岡で栽培する品種にする事になりました。
静岡県農林試験場(現農林技術研究所)の協力のもと、採取された自然薯は約100本。その中で最も良かったものが60番目であったため、農業試験場の「農試」と60番目で合った為「60号」が合わされて「静岡農試60号」という品種(系統)が出来ました。
静岡農試60号は静岡県掛川市の倉真で見つかった物になります。
60号というのは系統番号であり、美味しさが際立っていたために、品種名を決める前に広がっていったそうです。
静岡農業研究60の特徴
静岡農試60号は、以下のような特徴を持っています。
静岡県の在来品種
前述した通り、自生していた物を品種としており、品種の掛け合わせを行っていません。
自然薯には雄株と雌株がありますが、農試60号は雄株になるで交配して品質が変わる事がないと思われます。
香りと粘りに特徴
肌が白く灰汁が少ないので、すり下ろしても黒くなりにくく、粘りが強い。
粘り方はトルコアイスのように、長く伸びるような性質。
甘くて上品な土の香りがあり、滑らかな食感。
品種の保存
静岡県自然薯研究会では、品種の保護のため研究会で原種の管理を行う専用の防虫ハウスを保有しています。
原種となる自然薯を毎年検定を行って定植し、8月には葉の形状等をみて劣化の調合があるものは抜き取ります。
このような検定をクリアして出来た「むかご」を自然薯研究会の会員に配布(販売)し、会員はこのむかごを種として栽培をしています。
栽培方法と管理のポイント
静岡農試60号の栽培には、いくつかの重要なポイントがあります。
切芋栽培には適していない
静岡農試60号は切芋で栽培すると、部位によって粘りの差が出ることがあったため、
原種の芋から取れるむかごを種として定植し、種芋を作った後に、本芋を栽培する流れとなり、切芋栽培に比べて年数も手間も掛かります。
中間マルチダクトシステム方式(静岡方式)
静岡農業研究60がもたらす地域への影響
静岡農業研究60は、単なる農産物の提供にとどまらず、地域社会に多くの良い影響を与えています。
地元農家の支援
この自然山の普及により、地元農家は安定した収入を得られるようになりました。品質の良い作物を生産することで、ブランド価値が高まり、販売価格も向上しています。
環境保全の推進
農薬や化学肥料の使用を減らすことで、土壌や水質の汚染が抑えられています。これにより、地域の生態系が守られ、自然環境の持続可能性が高まっています。
観光資源としての活用
静岡農業研究60の自然山は、農業体験や自然散策の場としても人気です。観光客が訪れることで、地域の経済活性化に繋がっています。
静岡農業研究60を体験する方法
静岡県内では、静岡農業研究60の自然山を見学したり、農業体験ができる施設が増えています。以下のような方法で体験が可能です。
農業体験ツアー
地元の農家が主催する体験プログラムに参加し、苗の植え付けや収穫を体験できます。
自然散策コース
自然山の周辺には整備された散策路があり、四季折々の風景を楽しめます。
直売所での購入
新鮮な静岡農業研究60の作物を直売所で購入し、家庭で味わうことができます。
これらの体験は、農業や自然に興味がある人にとって貴重な学びの場となります。
静岡農業研究60の未来展望
静岡農業研究60は、今後も地域の農業と自然環境を支える重要な存在として期待されています。研究機関と農家が連携し、新たな品種改良や栽培技術の開発が進められています。
また、環境保全と経済活動の両立を目指す取り組みが強化され、地域全体の持続可能な発展に寄与するでしょう。観光や教育の分野でも活用が広がり、静岡県の魅力をさらに高める役割を果たします。
静岡農業研究60は、地域の自然と農業が調和した特産品として、多くの人々に愛されています。品質の高さと環境への配慮を両立させたこの自然山は、静岡県の誇りです。興味を持った方は、ぜひ現地での体験や直売所での購入を通じて、その魅力を実感してください。地域の農業を支え、自然と共に歩む未来を一緒に考えていきましょう。


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